江戸期においては、幕府発行の貨幣のみが唯一の通貨として全国に流通していましたが、例外的に藩内のみ流通という限定で幕府の許可を得て発行した貨幣があります。
その最初のものがこの仙台通寶です。仙台藩は1784年(天明4年)、同藩領内の飢饉を理由に鋳造を幕府に申請し、通用3カ年の期限付きで許可されたのがこの仙台通寶です。仙台石ノ巻銭座で四角い鉄銭として鋳造されました。
寸法により大様(たいよう)、中様、小様の3種類に分かれますが、ここでご紹介するのは中様の銅製母銭です。
直径:約21.8x21.9mm 量目:約2.4g
小様とそれほど寸法は変わりませんが、「寶」の文字に特徴があり、またこの文字が輪に接していないことも特徴です。