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長崎貿易銭・元豊通寶 行書

明朝末期、明、清抗争などにより、中国内の鋳銭は十分でなく銭貨不足となっていました。
これに目をつけたオランダ商人は銭貨の中国への輸出を目論み、幕府に銭貨の購入を申し込んできました。寛永通宝の輸出は厳禁だった為、古銭名の銭貨を鋳造して交付することとなり、長崎に鋳銭局を設けて宋銭の名称を持った銭貨を鋳造しました。これが長崎貿易銭と言われるものです。後に、中国南部よりオランダ人に代わって鋳銭の依頼を受けることになりました。長崎貿易銭は万治2年(1659)より貞享2年(1685)まで26年間鋳造されました。貿易用と言う名目で鋳造されましたが、国内でもかなり使用されたと考えられています。

中国よりの渡来銭のほとんどは、北宋銭だった為、日本に馴染みの深い、北宋銭の名称が採用されたものと思われます。元豊通宝、祥符元宝、天聖元宝、嘉祐通宝、煕寧元宝、紹聖元宝、治平元宝などが知られています。

一般的には下記7種が多く見られます。

天聖元寶 てんせいげんぽう 真書
紹聖元寶 しょうせいげんぽう 篆書
祥符元寶 しょうふげんぽう 真書
嘉祐通寶 かゆうつうほう 真書
煕寧元寶 きねいげんぽう 篆書
元豊通寶 げんぽうつうほう 行書
元豊通寶 げんぽうつうほう 篆書
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